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会社概要

事務所名税理士法人 カインズ
所在地大阪府豊中市中桜塚4-9-38ユタカマンション1階
  アクセスマップ  
電話番号06-6856-0424
FAX番号06-6856-2087
業務内容

■各種税務に関する業務
■経理・会計・決算に関する業務
■経営相談に関する業務
■相続に関する相談
■独立、開業支援に関する         業務

<営業時間> 9:00~17:00
<休業日> 土・日・祝日

カインズ定期通信 (代表 北秋勝己からのメッセージ)

カインズニュース 2019.12月号

.税法における行政上の制裁

 過少申告や無申告があった場合には、延滞税の他に各種加算税が課されます。加算税は義務違反に対する行政上の制裁として課される行政罰の一種です。加算税には下記のものがあります。 

◆過少申告加算税

期限内申告が行われた後に修正申告又は増額更正がなされた場合に課されます。原則として増差税額の10%(期限内申告税額相当額又は50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%)の金額です。

ただし、正当な理由がある場合や調査通知「前」に更正がされることを予知しないで修正申告をした場合は課されません。調査通知「後」であっても更正がされることを予知しないで修正申告をした場合は5%(期限内申告税額相当額又は50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)となります。

◆無申告加算税

期限内申告が行われず期限後申告又は決定がなされた場合等に課されます。原則として増差税額の15%(50万円を超える部分は20%)の金額です。過去5年内に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合には更に10%加算されます。

ただし、正当な理由がある場合等は課されません。調査通知「前」に決定又は更正を予知しないで期限後申告等をした場合は5%となり、調査通知「後」に決定等を予知しないで期限後申告等をした場合は10%(50万円を超える部分は15%)となります。

◆不納付加算税

源泉徴収等による国税が法定納期限までに完納されなかった場合に課されます。

原則として完納されなかった額の10%です。正当な理由がある場合等は課されません。納税の告知を予知しないで納付をした場合は5%となります。

◆重加算税

上記加算税が課される場合において、国税の計算の基礎となる事実を「隠蔽又は仮装」したところに基づき納税申告書を提出したときに、上記加算税に代えて課されます。過少申告・不納付加算税に代える場合は35%、無申告加算税に代える場合は40%です。過去5年内に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合には更に10%加算されます。

 .個人保証の「二重取り」禁止へ

中小企業の事業承継の際に金融機関が旧経営者と後継者の両方に個人保証を求める二重取りを原則禁止とする指針を、日本商工会議所と全国銀行協会が事務局を務める研究会が年内に策定します。個人保証の二重取りは後継者が事業引き継ぎを躊躇する要因になっていて、原則禁止とすることで事業承継の円滑化を進めることを狙いとしています。

日商と全銀協の研究会は、個人保証を伴わない融資を金融機関に促す「経営者保証に関するガイドラインを2013年に策定しています。ガイドラインでは、法人と経営者の資産関係が明確に区分・分離されていること、返済能力に問題のない財政基盤があること、財務状況を適時適切に開示する経営の透明性を確保することの3要件を満たした企業には、金融機関が経営者保証を外すことを求めていました。法的拘束力はありませんが、金融機関に自主的な順守を求めているものです。

今回新たに策定する指針は、ガイドラインを補完する特則と位置付けられるものです。全銀協などの金融関係組織と日商などの事業者組織、弁護士が年内をめどに指針を策定し、来年度からの施行を目指します。二重取りを原則禁止としたうえで、例外的に必要な場合の具体例を制限的に列挙する見通しとなっています。金融機関が中小企業に融資する際には、融資額の回収可能性を少しでも高めるために、経営者に個人保証を求めることが少なくありません。会社の資産で返済不可能となった場合は経営者が個人資産で返済します。個人保証によって私財が危険に晒されるおそれがあることから、後継候補者が引き継ぎに難色を示すこともあり、改善が求められていました。


カインズニュース 2019.11月号

Ⅰ.申告書等閲覧、スマホ撮影可能に

◆申告書等閲覧サービスとは

申告書等閲覧サービスとは、内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、酒類業の健全な発達(財務省設置法第19条)に資するため、行政サービスとして行われているものです。法令等により制度化されて いるものではありませんが、国税庁の事務運営指針により運営されています。具体的には、納税者等が申告書等を作成するに当たり必要があると認められる場合に、納税者等が税務署等に赴いて、過去に提出した申告書や届出書等の内容を確認することができる制度です。正確な納税申告をするためには、過去に提出した申告書の内容と齟齬がないようにする必要がありますし、過去に提出した届出書も正確に把握していなければなりません。何十年も前に提出した届出書が現在の申告内容に影響を及ぼすこともあります。このため、納税者においては、細心の注意を持って過去の申告書や届出書を管理しなければなりません。しかし、様々な事情によりそれができなくなることもあります。そんな時にはこの制度を活用することとなります。
◆改正前の取り扱い
ごく一部の例外を除き、原則として、申告書等のコピーの交付、カメラ撮影及びスキャナーによる読み取りは、認められていませんでした。このため、税務署まで赴いて閲覧した上、必要な部分を手で書き写さなければなりませんでした。申告書等閲覧サービス自体は大変有り難いサービスなのですが、この点だけは納税者や税理士にとって、なんとも不便な制度でした。
◆改正後の取り扱い
本年、この事務運営指針の改正が行われ、9月から取り扱いが変わりました。コピーの交付は相変わらず認められていませんが、写真撮影は認められるようになりました。ただし、デジタルカメラ、スマーフォン、タブレット又は携帯電話など、 その場で写真が確認できる機器に限られます。コピーの交付が認められないのは不満ではありますが、写真撮影が認められたのは大きな前進ですね。


.ふるさと納税で広がる「物納」

任意の自治体に寄付することで住んでいる場所に納める住民税などの優遇を受けられる「ふるさと納税」制度で、お金以外のモノを募る自治体が増加しています。ふるさと納税の「物納」は制度上認められていて、今後も同様の動きは広がりそうです。

三重県いなべ市は昨年10月から、公立の学校の吹奏楽部などで不足している楽器の寄付を募っています。自治体側が希望する楽器をホームページ上で挙げ、寄付を申し出る個人や企業がいれば、専門の業者による価格査定が行われます。その金額を寄付者が了承すれば、金額分が同市にふるさと納税されたことになる仕組み。現在では同市以外にも北海道東神楽町、埼玉県北本市、宮城県富谷市も参加し、同じサイトでそれぞれが不足する楽器リストを掲載しています。いなべ市ではこれまでに100件を超える寄付があったそうです。

また群馬県太田市はふるさと納税を利用して、住宅用太陽光発電の余剰電力の寄付を受け付け、市内の施設の電力に回す取り組みを始める方針です。寄付者は、売却額に応じた税額控除を受けられるとのことです。ふるさと納税は思い入れのある地方を応援する手法として、今後も様々な分野に広がっていく可能性があります。一方で、「物納」があった時には適正な価値をどのように算定するかなど、新たな課題も生まれそうです。


カインズニュース 2019.10月号

.多様化する国税の納付手続

最近では国税の納付手続の選択肢が増え、納税者の利便性が向上してきました。自分に合った方法を選んでください。
◆窓口納付

金融機関又は所轄の税務署の窓口で、現金に納付書を添えて国税を納付する手続です。
◆振替納税

納税者自身名義の預貯金口座からの口座引落しにより、国税を納付する手続です。利用に当たっては、事前に税務署及び希望する預貯金口座の金融機関へ専用の依頼書を提出する必要があります。申告所得税及び復興特別所得税の確定申告分(第三期分)、消費税及び地方消費税の中間・確定申告分については、法定納期限よりやや遅れて引落しされますので、資金繰りに優しい納付方法です。

◆コンビニ納付(バーコード

税務署から送付又は交付されたコンビニ納付専用のバーコード付納付書を使用し、コンビニエンスストアへ納付を委託することにより国税を納付する手続です。
◆コンビニ納付(QRコード

自宅のパソコン等で作成したQRコードを使用し、コンビニエンスストアへ納付を委託することにより国税を納付する手続です。現在は「Loppi」又は「Famiポート」端末設置店舗でのみ利用可能です。
◆クレジットカード納付

インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税を納付する手続です。ただし、納付税額に応じた決済手数料がかかりますので注意が必要です。
◆インターネットバンキング等

インターネットバンキングやATM等により国税を電子納付する手続です。利用に当たっては、事前に税務署へe-Taxの利用開始手続を行う必要があります。
◆ダイレクト納付

e-Taxにより申告書等を提出した後、納税者自身名義の預貯金口座から、即時又は指定した期日に、口座引落しにより国税を電子納付する手続です。利用に当たっては、事前に税務署へe-Taxの利用開始手続を行った上、専用の届出書を提出する必要があります。 


.公的年金の将来像
◆公的年金財政検証結果

厚生労働省が5年に1度実施している公的年金の健康診断にあたる財政検証結果を公表しました。将来の年金水準についての検証では経済状況が異なる6つのケースを示しています。給付水準は現役世代の平均手取り収入に対する年金額の割合「所得代替率」という指標で示されています。2019年度の所得代替率は61.7%です。1~3のケースでは29年度以降の20年~30年の間、女性や高齢者の労働参加が進んで経済成長率がプラスとなった場合では給付抑制が46年~47年までで終ります。ケース1で経済成長率が0.9%上昇した場合でも所得代替率は51.9%に下がります。一方、成長率が横ばいにとどまる4~5のケースでは賃金が伸び悩み抑制期間は長くなります。53年~58年頃まで抑制され所得代替率も44.5%~46.5%まで下がります。ケース6の長期マイナス成長の場合では36%~38%になると見込まれています。


◆年金の制度改革

日本経済のマイナス成長や労働参加者の増加が進まなければ年金の財政は厳しい状態となります。所得代替率を50%より下げないため政府は一定の年金水準を保てるよう対策案を出しています。

1.厚生年金の適用拡大のため、企業規模要件(従業員500人以上)の規模下げ

2.賃金要件(月収8.8万円)以上対象者の要件下げ

3.月収5.8万円以上の全雇用者に適用

4.基礎年金の保険料納付期間を40年から45年に延長

5.受給開始年齢75歳まで繰り下げて支給

6.65歳以上の在職老齢年金の廃止(この場合は年金原資は下がる)

7.上記の組み合わせやマクロ経済スライドフル発動


◆自助努力は必須に

今回の財政検証で年金額を最も増やす効果があるのは受給開始年齢を上げること、75歳から受給開始すると所得代替率は99.1%だと言います。今65歳で年金をもらい始めても年金抑制の仕組みで徐々に所得代替率が下がります。その影響は若い世代ほど大きくなるので自助努力で老後に備えることは非常に重要になっています。税理士会でも大反対していますがどうなることか?

又、2023年10月1日以降にはインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されます。この制度は原則、課税事業者の仕入税額控除には、インボイスが必要となります。インボイスは課税事業者のみが発行できるため、インボイスが発行できない免税事業者は、課税事業者から取引を避けられる可能性があります。そのため、将来的に課税事業者になる選択を迫られる可能性が大です。経過措置が設けられていますが、果たしてどうなることか?この制度も税理士会は軽減税率よりも反対しています。免税業者を無くしたいための制度で大混乱になるのは目に見えています。


カインズニュース 2019.9月号

月に入ったとはいえ残暑厳しき折、お変わりなくお過ごしでしょうか。この時期は風邪を引きやすいかと思いますので、どうぞご自愛ください。


10月から適用されるマイホームの特例 消費税増税と住宅関連制度

いよいよ本年10月からの消費税率引き上げが迫ってきました。税率引き上げの影響の大きい住宅については、税制上の対策だけではなく、税制以外の対策も取られています。

◆住宅についての税制上の対策措置

(1)住宅ローン控除等の拡充(所得税)

消費税率10%の適用を受ける住宅の取得等については、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に居住の用に供した場合、住宅ローン控除の適用期間が10年間から13年間に延長されます。


(2)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税枠の拡充(贈与税)

直系尊属からの贈与により取得した住宅取得等資金で一定の要件を満たすものについては、非課税限度額までの金額について贈与税の課税価格に算入されません。従来の非課税枠は最大1,200万円でしたが、消費税率10%の適用を受ける住宅については、非課税枠が最大3,000万円まで拡充されています。


◆税制以外の対策措置

(1)すまい給付金の拡充

すまい給付金は、消費税率引き上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設した制度です。 消費税率が8%に引き上げられた平成26年4月にスタートした制度で、最大30万円給付されるものでした。本年10月の消費税率10%への引き上げ後は、最大給付額が50万円まで増額されます

新築築・中古、住宅ローンの利用の有無にかかわらず給付が受けられますが、収入(都道府県民税の所得割額)によって給付額が変わる仕組みとなっています。


(2)次世代住宅ポイント制度の創設

次世代住宅ポイント制度とは、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅や事負担の軽減に資する住宅の新築やリフォームをした人に対し、いろいろな商品と交換できるポイントを発行する制度です。住宅の新築(貸家を除く)の場合、1戸あたりに発行されるポイントの上限は35万ポイント、住宅のリフォーム(貸家を含む)の場合、1戸あたりに発行されるポイントの上限は30万ポイントです。

以上ように、対策が取られていますが、軽減税率制度は本当にややこしいですね。

税理士会でも大反対していますがどうなることか?

又、2023年10月1日以降にはインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されます。

この制度は原則、課税事業者の仕入税額控除には、インボイスが必要となります。

インボイスは課税事業者のみが発行できるため、インボイスが発行できない免税事業者は、課税事業者から取引を避けられる可能性があります。そのため、将来的に課税事業者になる選択を迫られる可能性が大です。経過措置が設けられていますが、果たしてどうなることか?こ
制度も税理士会は軽減税率よりも反対しています。免税業者を無くしたいための制度で大混乱になるのは目に見えています。


カインズニュース 2019.8月号

暑さますます厳しくしのぎがたい毎日が続いております。お元気でしょうか。昨今年金で様々なニュースが流れています。社員の老後のための選択制確定拠出年金(選択制DC)についてご紹介させていただきます。


◆確定拠出年金とは

確定拠出年金は2001年に始まった制度で、少子高齢化等の社会の変化に対応するため個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己責任で運用し、原則60歳以降においてその結果で給付を受けられる制度です。

国民年金、厚生年金のさらに上の第三階に位置づけられる年金です。確定拠出年金は個人型(iDeCo)と企業型に分かれ選択制DCは企業型に含まれます。


◆選択制確定拠出年金の良い点

選択制DCの特徴は制度を導入するのは会社が行いますが、選択制の名前の通り利用するか否かは社員が決めます。
利用する場合、社員は自分の給与から自身で設定した金額を選択制
DC回して運用することになります。


①選択制
DCのメリットは原則60歳まで引き出すことが出来ないため老後の生活資金形成が確実にできます。

②また選択制DCへ拠出した分、給与からの社会保険料や所得税などの控除額が減額されます。

例えば給与額が31万円で、毎月積立2万円と選択制
DC2万8千円を比較すると、
31万円-約6万5千円(社保料、所得税)-2万円(積立)=22万5千円、
31万-2万8千円(選択制DC)-5万7千円(社保料、所得税)=22万5千円と、積立額は8千円の違いがありますが、月の手取金額はほぼ同じです。掛金に対して老後資金を多く積み立てられるのです。


◆選択制確定拠出年金のデメリット

①運用で掛金が減額したときなどは責任を従業員本人が負い年金が減ることもありますが、定期預金等の元本が減らない使い方もあります。

②原則として60歳まで引き出せません。

③公的年金、失業保険、傷病手当金、育児休業給付、障害補償年金等の公的に受けられる補償額が減少します。


社保料や所得税の減少が削減効果は大きいですが、障害補償年金対象者になったときは受け取れる金額が減少してしまうこともあります。選択制DCのメリットは社員の老後の生活資金形成の選択肢を増やせるという点です。

会社は運用コストが必要になりますが、安心して働ける会社づくりの一助になると思います。
いかがでしょうか。